ダイヤは抹茶が苦手なの?

作者:znsk0417yy
「よしこしゃん、ごほんをよんでください!」
「あーうん、どれがいいかな…」
黒髪を揺らしながらこちらを見てくる女の子は、堅物生徒会長のダイヤだ。私の腰程度の身長しかなく、畏怖を感じさせる鋭い目つきもどこへやら。なぜこんなことになってしまったのか…。


「ふぅ、助かりましたわ。仕事がいつもより早く片付きました。」
そう言ってダイヤは生徒会室で伸びをした。普段見ることの無い気の抜けた表情は歳相応で可愛らしい。
「気にしないで。どうせみんな用事で練習は無かったんだし、私こういうの結構得意だから。」
「えぇ、本当に手際が良かったです。この際生徒会に入りませんか?」
「えっ、いやそれは…ほら私不登校だったし課題出すの遅いから生徒の模範にならないし…」
「ふふっ、別に理由なんてなくても嫌だと言ってくれても構いませんのに。本当に名の通り善い子ですわね。」
ぽんぽん、と頭に手を置かれる。果南やマリーと違って、この人に頭を撫でられるのはあんまり嫌じゃない。すごく気を使って触ってくれているのも分かるし、ルビィで慣れているのかとても気持ちいい撫で方をしてくれる。
「も、もう…子供扱いしないで///そ、それより他の仕事は?手伝ってあげるから!」
「へ?あぁ、先程手伝っていただいた分でほとんど終わりましたよ。もう帰ろうかと…あ、そうでした。」
「ん、何かあるの?」
「えぇ、と言っても仕事ではなくご褒美です。鞠莉さんが出張で買ってきたとかいうお菓子のストックが結構溜まっていまして。良ければご一緒にお茶でもどうですか?」
「いいの?じゃあ喜んで♪」
ダイヤはマリーが勝手に設置したと言っていた冷蔵庫から山ほどお菓子を出してきた。東京ばなな、苺大福、抹茶プリン、萩の月、もみじ饅頭、カステラetc…
「待って、理事長って日本全国回るような仕事あるの?なんで全国各地のスイーツが揃ってるのよ…」
「これでも消費している方なのです…。すごく嬉しそうに持ってくるので拒むに拒めず、つい溜まってしまうのです。」
「はは、果南のところにも同じくらい持って行ってそう…。」
「果南さんは本人もよく食べる上、千歌さんや曜さんがよく遊びに行きますからそれほど困らないのです。」
3人で桟橋に腰掛けてお菓子を食べる姿が思い浮かぶ。なるほど、何とでもなりそうだ。
「ふーん…あ、お湯沸いた。ダイヤも紅茶でいい?」
「えぇ、この間鞠莉さんが持ってきたティーバッグがそこに置いてあると思いますので…」
ダイヤが指を向けた戸棚を開けてみると高級そうな箱に入ったティーバッグがあった。
「わ、見るからに高そう…。」
「そうですか?私の家にもある種類ですからそこまで高いものでは無いかと思いますが?」
「網元を基準にしないで。…ん?なんだろ」
「どうかされましたか?」
「なんか…これ匂いが変な気がするんだけど」
「へ?どれどれ…そうですか?ちょっと失礼しますね。」
顔を近づけたダイヤは不自然に感じなかったようで、私の持っているソーサーからカップを取り1口含んだ。
「…特に味におかしな点は無いと思いますが…うっ」
「…ダイヤ!?どうしたの、しっかりして!」
飲み込んで直ぐにダイヤは胸を押さえて倒れてしまった。苦悶の表情を浮かべるダイヤの姿に慌ててしまって私は人を呼ぶという考えに至らなかった。するとダイヤの体からポンッと白い煙が立ち、体が見えなくなるほど包まれてしまった。びっくりして思い切り煙を吸ってしまい咳き込んで距離を取ってしまった。
「だ、ダイヤ…平気?ってあれ?」
「…ふぇ?よしこしゃん?まえがみえないですわー!」
いつものダイヤよりも一回り声の高い、何だか楽しそうな声。私の視界に入ったのは浦女の制服に埋もれた小さな少女だった。
「えっと…もしかしてダイヤ?」
「はい、わたくしくろさわだいやです!よしこしゃんはどこですか?まえがみえませんわー!」
キャッキャッ、という擬音が聞こえてきそうなほど明るい声色に溜息を一つ。とりあえず顔を出してあげた。
「〜〜〜っ!!!///」
襟から覗くにこにこ笑顔は一瞬で私のハートを鷲掴みにしてしまった。だってしょうがないじゃない?今のシュッとしたラインじゃない触り心地の良さそうな顎や頬、目も今よりまん丸で可愛い。あとよしこしゃんて何超可愛いんですけど。私ロリコンだったのかしら。思わず抱き締めてしまった。
「ぴぎゃっ!よしこしゃん、きゅうになんですの〜」
「ハグよハグ、大好きのハグ」
「!わたくしもよしこしゃんのことだいすきです!はぐ、します!」
なんだか聞いていたより幼いというか、素直な子だ…。しかしマリーってば、あのお茶に何仕掛けたって言うのよ、もう…。
「へくちっ!」
「あ、大丈夫?ほらちーんして。」
「ちーんですわっ」
あ、やばい。ダイヤが鼻かむのにちーんだって。動画撮りたいわ。
「あ、そっか。服が無いんだものね。どうしよ…あ、ルビィに連絡してみよう。」
携帯を取り出してルビィに電話をかける。
「ルビィはまだあかちゃんです!でもいまはこうこうせい…あたまがごちゃごちゃしてきました。ぐすん。」
あ、どうしよ。この可愛い生き物笑っても泣いても熾天使級の笑顔だわ。
『もしもし、善子ちゃん?』
「あ、ルビィ?悪いんだけど幼稚園の頃の服とか持ってない?学校まで持ってきて欲しいんだけど…」
『えぇ?…あ、鞠莉ちゃんがこの間スモック貸してーって言ってたから部室に置いてあるかも!』
「ほんと!?ありがとルビィ!じゃまた明日!」
素早く電話を切る。今はルビィよりダイヤだ。
「ねぇダイヤ、すこーしの間だけここで待ってられる?」
「はい、くろさわけにできないことはありませんわー!」
「ふふっ、いい子ね。そしたら待ってるのよ?部屋出ちゃダメだからね?」
「はーい!」
やっぱり何か幼いイメージが先行する。ダイヤって子供の頃からかなりしっかりしてたって聞いてたんだけど…。まぁ可愛いからいっか。
部室に行くと本当にスモックが入っている紙袋が置いてあった。それを持って生徒会室に戻った。
「ダイヤ、大人しくしてた…っ!?」
「よしこしゃん、このあかいやつひらひらでかわいいです!」
ダイヤは何故かブラを片手に楽しそうだった。ってか、ダイヤの下着なんかえっろ…じゃなかった。
「ダイヤ、このスモックを着ましょう?流石に下着は無かったけど…」
「ようちえんのふくですわ!」
裸の子供ダイヤは嬉しそうにスモックを着た。制服と下着は紙袋に畳んでしまう。
「よしこしゃん、わたくしかわいいですか?」
もう別人じゃなかろうか。スモックを着て可愛いですかって…
「すごく可愛いわよ、写真撮ってもいい?」
「いいですけど、わるいひとにはみせないでくださいね!」
「大丈夫、誰にも見せないから!」
私はスマホのシャッターを100連写に切り替えて何度も撮った。パシャパシャという音が怖いのか目にうっすら涙が浮かんでいた。
「あ、ごめんね?もう撮らないから泣かないで?」
「もうぱしゃぱしゃうるさくない?」
「うん、うるさくないよ。はいぎゅー。」
「ぎゅー!」
私が手を広げるとすぐさま飛び込んでくる。可愛い。携帯に無音のアプリを入れて後でまた撮らせてもらおう。
「もう平気?」
「はい!ないちゃってごめんなさい!」
「ううん、私こそ怖がらせてごめんなさい。ダイヤは写真が苦手なの?」
「ううん、あのぱしゃぱしゃっておとがこわくて…」
「じゃあもう音出さない!ダイヤのためだもの!」
「わーい、よしこしゃんだいすきですわ!」
「それじゃ、お家に帰ろっか♪」
「よしこしゃんのおうちー?いきたいですわー!」
「うんうんおいで♪」
やましいことは何もない。黒澤家に今のダイヤを連れていったところで掛け合ってはくれないだろうし今は私が預かるのが最善策なのだ。決して私が家で堪能したいわけでは、断じてない。
幸い、学校でも帰路でもほとんど人に会わずに済み、会った人たちも親戚と言えば納得してくれた。


「ただいまーって誰もいないけど。」
「おじゃましますっ!…そしておかえりなさいっ!」
ダイヤは礼儀良く頭を下げて家に上がったかと思いきや私の脇をすり抜けて私を出迎える素振りをしてくれた。
「ダイヤ、ありがと。」
今日何度目か分からないがダイヤの頭を撫でてあげる。ちょっとだけ頭を擦り付けてくる姿が愛おしい。これが母性か。
「さーて何か子供でも遊べるもの…いたっ!」
「よしこしゃん、そとからかえってきたらまずはてあらいうがいですわよ!」
「そうね、うっかりしてたわ。ダイヤはいい子ね」
ダイヤは部屋に向かう私の足にタックルしてきた。こういうしっかり躾されているところが変わらないと分かるとちょっと安心する。洗面所で一緒に手洗いとうがいをした。ダイヤは私が持ち上げてあげないと届かなかったけど。
「改めて部屋に…あ、だめだ。」
「どうしてですか?わたくしよしこしゃんのへやいきたいです!」
「あー、えっとね…怖いものが置いてあるのよ、私の部屋」
「こ、こわいものはやですわ…」
「うん、だからリビングで遊びましょ?」
ダイヤをクッションに座らせて私は飲み物を用意する。確かダイヤって抹茶好きだったわよね…。都合良く抹茶の粉末があったのでお湯を沸かし念の為砂糖を混ぜてダイヤに持っていく。私は面倒なので炭酸水をペットボトルごと。
「ダイヤは抹茶でいい?」
「まっちゃですか?おかあさまがのんでるのみたことあります!」
「ありゃ、まだ飲んだ事ない年齢だったのか…というかどの程度記憶があるのか全然分からないや。」
「んくっ、んくっ…ぴぎゃああああああ!!!」
「ひゃあ!ど、どうしたのダイヤ?」
「にぎゃいですわぁ…」
「ご、ごめんダイヤ!あ、えっとこれ飲んでお口くちゅくちゅして!」
私は咄嗟に炭酸水を渡す。ダイヤはそれを口に含んで…更に泣き出した。
「ぴぎゃああああああ!!!痛い、ピリピリしますわぁ!」
「やっば、ダイヤそんな弱点があったの?…み、水!」
急いで水道水を飲ませてあげる。ダイヤはようやく飲めるものにありつけて一気に飲んでしまった。
「…ぷはぁ!たすかりました…よしこしゃん、いじわるですか?」
「あぅ…ごめん。ダイヤはね、おっきくなったら抹茶が大好きだから今も好きだと思っちゃって…苦かったよね、ごめんなさい。」
流石にここまで泣かせてしまったのだから、反省しなければいけない。
「あ…やっぱりのめます!よしこしゃんがつくってくれたんですから!」
「あ、だめよ苦いから!ちょっと待ってて!」
「あ、よしこしゃん!」
私は台所に戻って激甘のホットミルクを作り抹茶と混ぜる。1口飲んでみたけれど苦味が感じないほど甘くなったのでそれをもう一度コップに戻してダイヤの元に戻る。
「ごめんねダイヤ、これを飲んでみて!」
「きみどりいろになった!…あまーい!これならのめるよ!」
「本当?良かったわ。後はチョコレートくらいしかないけど…食べる?」
「たべます!」
「オッケー。そしたら何したいか考えといてくれる?」
私は部屋から大量のチョコレートを持ってリビングに戻る。
「ダイヤー、持ってきたわよー。」
「よしこしゃん、ごほんをよんでください!」
「あーうん、どれにしようかな…」
絵本なんてどこにしまったっけ…。あ、あった。
「これでもいい?」
「はっぱ…?なんのえほんですか?」
「んー、ちょっと難しい話だけど、ダイヤならきっとわかるわ。」
数冊、ちょっと難しめの感動する絵本を読んでみた。そしたらダイヤは涙を流してしまった。
「あ、ダイヤごめん…怖かった?」
「ううん、なんだかすごくかなしくて…かわいそうだなぁって」
「そう思えたなら、ダイヤはきっといい子になれるわ。ただ、ちょっと疲れちゃったから本以外で他に何かやりましょ?」
「うーん…あ、よしこしゃん!わたくし、このげーむ?やってみたいですわ!」
「えーどれ?…あぁそれか。」
ダイヤが手に取ったのは某配管工おじさんのレースゲームだった。これくらいならダイヤでも出来るかな?
「よーし、じゃあやるわよ!」
「いぇーいですわ!」
その後レースゲームをしたが、操作に慣れないダイヤに教えるのに精一杯で2人で対決する頃には夕飯時になってしまった。
「あー、今日ママ帰ってこないんだっけ…。ダイヤ、夜ご飯何食べたい?」
「えっ?わたくしよしこしゃんのいえでごはんたべるんですか?」
「だって今おうち帰っても多分ダイヤって分からないと思うわよ?」
「たしかに…そしたら、うーん…おむらいす!おむらいすがたべたいです!」
「ん、おっけー。」
ダイヤのリクエストに応えオムライスを作る。流石に今からご飯を炊く余裕は無いのでレンジで温めるタイプのご飯をいくつかレンジで回して、出来たらフライパンで鶏肉とみじん切りした玉ねぎを炒め、そこにご飯を入れてケチャップを混ぜる。それを皿に盛り付けた後、卵も焼いていく。自分の分はちょっと失敗したけど、ダイヤの分は綺麗に半熟のオムレツにすることが出来た。皿とシルバーを持ってリビングに戻る。
「ダイヤー、ご飯食べるわよー」
「わっ、はやいですわ!ほんとうにまほうでもつかったのですか…?」
「大丈夫、おっきくなったらダイヤでもできるから。ほら、椅子座れる?」
「だいじょうぶですわ!うんしょっと」
「よしよし…じゃあ食べましょうか。」
「「いただきます。」」
「ってちょっとまってください!」
「へ?どうしたの?」
「けちゃっぷ!」
「あぁ、そうね。取ってくるわ。」
冷蔵庫を開けてケチャップをダイヤに渡す。するとダイヤは椅子からわざわざ降りて私の方に来た。
「んしょ、んしょっと…はい、できました!」
だいやは私の潰れたオムライスにハートマークを沢山書いてくれた。やばい、嬉しすぎる。
「じゃあ私もお返ししないとね。」
ダイヤのオムライスにもハートマークをいっぱい書いてあげた。
「はーといっぱーい!いただきまーす!」
「私はこれを写真に残して…っと先に無音に設定しなきゃ。…よし、これでしっかりと…!」
「よしこしゃん?なんでおしゃしんとったの?」
「嬉しいことの写真があると、嫌な時に見て元気になれるからね。」
「…そうなんですね!よしこしゃんいやなことあるんですか?」
「まぁ無くはないけど…」
「その時はわたくしがおてつだいしますね!」
「ふふっ、ありがと。…っとそうだ、ダイヤの家に連絡を入れないと…。」
ダイヤの自宅へ電話をかける。言い訳は…私が課題を溜め込んで助けて貰ってるということにしよう。電話口ではダイヤのお母さんの心配そうな声がして、迷惑をかけないように先に連絡すべきだったなぁと反省した。偽りだが事情を説明すると安心が勝ったようで許していただけた。…明日戻る保証もないのに平気だろうか。
「…っと、電話中静かにしててくれてありがと、って全然食べてない!もしかして食べたくない?」
「ううん、よしこしゃんといっしょにたべたいから、まってたの!」
「〜〜っ!ダイヤ大好き!一緒に食べましょ?」
ダイヤの可愛さにいちいち胸を射抜かれながらも一緒に夕飯を摂った。そのあとお風呂に入れたりと大変だったがなんとかパジャマに着替えさせるところまでなんとかなった。

※描写忘れたし今更出せる気もしないのですが、多分帰りに服屋でダイヤの分のパンツとパジャマは買ってきていると思われます。それから例のごとく入浴シーンは書きません。本当に申し訳ないです。

「ふぁ、よしこしゃん…ねむねむです…」
頭が働いていないせいか益々幼くなったダイヤ。可愛すぎて無理とか言いたいところだけどここはぐっと堪える。
「そうね、じゃあここにお布団敷いて一緒に寝ましょうか。」
「!ねる!いっしょのおふとん〜♪」
私は布団を敷いて念の為ダイヤの周りにぬいぐるみを置いて寝相でどこか打ったりしないように予防線を張った。
「このこかわいいー、よしこしゃんのおともだち?」
「そうよ、可愛いサメさんでしょ?」
「うん、よしこしゃんがすきならわたくしもすきー」
「それは良かったわ、じゃあ寝ましょう?こっちおいでー。」
「よしこしゃんぎゅーっ。…すぅ、」
「はやっ。ま、いいか。私も動けないし起こすのやだし、寝ちゃうか。」
ダイヤに抱きつかれて温かかったせいか、その日はいつもより快眠だった。


SIDEダイヤ
「…んん、だいやぁ…。」
私が目を覚ますと、全裸の私に善子さんが抱きついていました。急いで離れ、記憶を辿ると…自分などうなっていたのかを思い出しました。ひとまず隅においてあった下着と制服に身を包み善子さんの御家族が戻られていないかを確認しました。子供の私でも観察力があったため靴の数で戻られていないことがわかりました。その後善子さんの分と一緒に朝食の用意をしました。
出来上がる頃に善子さんは起きてきました。
「んあ、ダイヤ…?っても、戻ってる!…良かったぁ…」
「…ちょっと離れてもらえます?」
善子さんをそっと手で押して拒否の意志を見せた。今急に抱きつかれると顔が熱い。
「えっ」
「あっいや、言葉の綾です!…昨日のことを覚えているから恥ずかしいのです。」
「えっ!…パパ、ママ。先立つ不幸をお許しください。あなた達のの娘はきっと行方不明となり還らぬものとなるかと思います。本当に2人のことを愛していました。来世も2人の元へ生まれ変わりたいです。」
「ちょちょちょっと何を言い出してますの!?」
「だって…あのダイヤを覚えているなんて…ぜったい殺されるに決まってるわ!」
「殺しませんし何も致しません!落ち着いてください!」
「ほ、ほんと…?良かった…」
「いいから、朝食を食べて学校へ行きますわよ」
「はーい」
朝食を食べ身支度をして学校へ向かう。鞄は生徒会室に置きっぱなしだったようなので朝一で回収すれば問題ないだろう。朝のバス料金だけ善子さんに借りることになるが。階段を降りながら昨日の事を思い返していた。私は幼少期、思ってもいないことは全く言えない性格だった…つまりあれは全て私の本心…!?いや、まさか私が善子さんのことを好きだなんて…ありえませんわ。
「わっごめんなさい急いでて!」
考え事のしすぎだったのか後ろから走るOLにぶつかられ階段を踏み外してしまいました。すると腰を善子さんに抱きとめられ落ちずに済みました。
「あっぶないわね…。ダイヤ、大丈夫?」
昨日と同じ笑顔で微笑みかけてくる。…何故かキラキラして格好よく見えたのは昨日の余韻が残っているせいだと思いたい。





「あら?マリーの『飲んだら一時的に幼少期に戻って本音だけ話すようになる薬』はどこに行ったの?梨子に試したかったのにー!」

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